【楞厳経】巻六
四種の戒律
アーナンダは服を整え、会衆の中で合掌し、心の本質を悟り、悲喜こもごもで、未来の衆生のためにお釈迦様に頂礼して言いました。
阿難整衣服,於大眾中合掌頂禮。心迹圓明,悲欣交集,欲益未來諸眾生故,稽首白佛:[SG0603001]
「慈悲深い世尊様よ。私はいま成仏の法門を承知し、修行に疑いはありません。
「大悲世尊! 我今已悟成佛法門,是中修行得無疑惑,[SG0603002]
私は常に世尊様からこのように拝聴しました。
常聞如來說如是言:[SG0603003]
『自分はなお成道していないが、まず他人を済度しようとする者は菩薩である。
『自未得度先度人者,菩薩發心;[SG0603004]
自分の覚悟がすでに円満に至り、他人をその境地に導く者は如来である。』
自覺已圓能覺他者,如來應世。」[SG0603005]
私はまだ成道しておりませんが、末法の世のすべての衆生を済度したいと願っております。
我雖未度,願度末劫一切眾生。[SG0603006]
世尊様。末法において衆生は世尊様の教化から遠ざかり、邪悪の法は恒河沙数の如く多く出現します。
世尊! 此諸眾生去佛漸遠,邪師說法如恒河沙,[SG0603007]
心を制して三摩地に入りたいなら、どのように道場を設け、種々の魔障(修行を妨げる悪魔の障害)を避け、菩提心を守るのでしょうか?」
欲攝其心入三摩地,云何令其安立道場,遠諸魔事? 於菩提心得無退屈?」[SG0603008]
その時、お釈迦様は会衆の前でアーナンダを讃えて言いました。
爾時,世尊於大眾中,稱讚阿難:[SG0603009]
「これはいい質問だ! お前はいま、道場を設け、末法の世の衆生を救う法門を問うた。よく聴きなさい! きっと皆に説明してやろう。」
「善哉! 善哉! 如汝所問安立道場,救護眾生末劫沈溺。汝今諦聽,當為汝說。」[SG0603010]
アーナンダと会衆はお釈迦様の教えに聴き入りました。
阿難、大眾,唯然奉教。[SG0603011]
お釈迦様はアーナンダに告げました。
佛告阿難:[SG0603012]
「お前はかつて聴いたはずだ、私が常に説いた律蔵における三つの絶対の関係を。
「汝常聞我毘奈耶中,宣說修行三決定義,[SG0603013]
心を制することは持戒(戒を守ること)である。
所謂攝心為戒、[SG0603014]
戒を守るゆえに心が安定する。
因戒生定、[SG0603015]
心が安定するゆえに智慧が成長する。
因定發慧,[SG0603016]
これは『三無漏学』である。
是則名為三無漏學。[SG0603017]
アーナンダよ! なぜ心を制することを持戒と呼ぶのか?
阿難! 云何攝心我名為戒? [SG0603018]
不淫
もし諸世界の六道の衆生が情欲を断ち切れば、生死輪廻から解放されることができる。
若諸世界六道眾生,其心不婬,則不隨其生死相續。[SG0603019]
三昧を修めて塵労を離れようとするなら、情欲を断ち切らない限り、塵労から解放されることができない。
汝修三昧本出塵勞,婬心不除,塵不可出。[SG0603020]
たとえ智慧が深く、禅定に入ることができても、情欲を断ち切らなければ、必ず魔道に落ちるのだ。
縱有多智,禪定現前,如不斷婬,必落魔道:[SG0603021]
上位の者は魔王、中位の者は魔民(魔界の民)、下位の者は魔女となる。
上品魔王,中品魔民,下品魔女。[SG0603022]
それらの魔族は自分がすでに無上の道を成就したと詐称し、多くの信者を得る。
彼等諸魔亦有徒眾,各各自謂成無上道。[SG0603023]
私が入滅した後、末法の世には多くの魔民が世間にいて、善知識を名乗り、衆生に淫行を広く勧誘して情欲の淵に陥れ、菩提の道を離れさせる。
我滅度後,末法之中,多此魔民熾盛世間,廣行貪婬,為善知識,令諸眾生落愛見坑,失菩提路。[SG0603024]
三摩地に入りたいなら、まず情欲を断ち切るべきだ。
汝教世人修三摩地,先斷心婬,[SG0603025]
これは三世の如来たちが明示した、第一の絶対の清浄の戒である。
是名如來先佛世尊第一決定清淨明誨。[SG0603026]
ゆえにアーナンダよ! 情欲を断ち切らずに禅定を修めることは、砂・石を煮て御飯にしようとするようなものだ。
是故阿難! 若不斷婬修禪定者,如蒸沙石欲其成飯,[SG0603027]
たとえ百・千劫をかけて煮ても、ただ熱い砂・石を得るだけだ。
經百千劫秖名熱沙。[SG0603028]
なぜなら、砂・石は米ではないからだ。
何以故? 此非飯本,石沙成故。[SG0603029]
情欲に蝕まれた身心で如来のすぐれた境地を求めるなら、たとえ悟りを得たとしても、また情欲にとらわれれば、必ず三悪道(地獄道・餓鬼道・畜生道)に落ち入り、脱することができない。
汝以婬身求佛妙果,縱得妙悟皆是婬根,根本成婬,輪轉三途必不能出。[SG0603030]
そのような状態で、どうして如来の涅槃の道を修めることができようか?
如來涅槃何路修證? [SG0603031]
必ず情欲の根を断ち切り、その根が完全に消滅してから、初めて如来の覚悟に至る可能性が出るのだ。
必使婬機身心俱斷,斷性亦無;於佛菩提斯可希冀。[SG0603032]
このように説くのは如来の教えである。
如我此說,名為佛說;[SG0603033]
このように説くのでないのは、波旬(第六天の魔王)の言葉だ。
不如此說,即波旬說。[SG0603034]
不殺生
もし諸世界の六道の衆生が身心から殺生を断ち切れば、生死輪廻から解放されることができる。
阿難! 又諸世界六道眾生,其心不殺,則不隨其生死相續。[SG0603035]
三昧を修めて塵労を離れようとするなら、殺生を断ち切らない限り、塵労から解放されることができない。
汝修三昧本出塵勞,殺心不除,塵不可出。[SG0603036]
たとえ智慧が深く、禅定に入ることができても、殺生を断ち切らなければ、必ず鬼神の道に落ちるのだ。
縱有多智、禪定現前,如不斷殺,必落神道:[SG0603037]
上位の者は大力(非常に強い力)の鬼王、中位の者は夜叉や鬼族の統帥、下位の者は陸上の羅刹となる。
上品之人為大力鬼,中品即為飛行夜叉、諸鬼帥等,下品當為地行羅剎。[SG0603038]
それらの鬼神は自分がすでに無上の道を成就したと詐称し、多くの信者を得る。
彼諸鬼神亦有徒眾,各各自謂成無上道。[SG0603039]
私が入滅した後、末法の世には多くの鬼神が世間にいて、肉食によって菩提の道を得たと詐称する。
我滅度後末法之中,多此神鬼熾盛世間,自言食肉得菩提路。[SG0603040]
アーナンダよ! 私が比丘たちに五浄肉(殺されるところを見ていない。殺されるところを聞いていない。自分のために殺したのではないことに疑う余地はない。自然死。他の獣が食べて残した肉)を食べることを許した理由は、それらが私の神力によって作り出したものであり、本来命の根源がないものだからだ。
阿難! 我令比丘食五淨肉,此肉皆我神力化生,本無命根。[SG0603041]
なぜなら、この婆羅門国の土地は、常に熱気に覆われ、砂・石ばかりで草木が生長しにくい。
汝婆羅門地多蒸濕,加以沙石,草菜不生;[SG0603042]
そのため、私は大悲の心を起こして神力を施し、この仮に『肉』と称されるものを衆生に供給するのだ。
我以大悲神力所加,因大慈悲假名為肉,汝得其味。[SG0603043]
それなのに、なぜ私が入滅した後、如来の弟子と称する者は衆生の肉を食うのか?
奈何如來滅度之後,食眾生肉,名為釋子? [SG0603044]
聴きなさい。たとえ心が開いて三摩地のような境地に達したとしても、肉食する者は皆大羅刹であり、命が終われば必ず生死の苦海に沈み、このような者は如来の弟子ではない。
汝等當知是食肉人,縱得心開似三摩地,皆大羅剎,報終必沈生死苦海,非佛弟子。[SG0603045]
互いに殺したり、飲み込んだり、食ったりする者は、なぜ三界を脱することができようか?
如是之人,相殺、相吞、相食未已,云何是人得出三界? [SG0603046]
三摩地に入りたいなら、次は殺生を断ち切るべきだ。
汝教世人修三摩地,次斷殺生;[SG0603047]
これは三世の如来たちが明示した、第二の絶対の清浄の戒である。
是名如來先佛世尊第二決定清淨明誨。[SG0603048]
ゆえにアーナンダよ! 殺生を断ち切らずに禅定を修めることは、自分の耳を塞いで大声で叫び、他人に聞かれないのを願うようなものだ。
是故阿難! 若不斷殺修禪定者,譬如有人自塞其耳,高聲大叫求人不聞,[SG0603049]
これは隠そうとすればするほど、かえってばれるということだ。
此等名為欲隱彌露。[SG0603050]
清浄な比丘と菩薩は、道を行く時草を踏むことさえせず、まして手で抜くことなどしない。
清淨比丘及諸菩薩,於岐路行不踏生草,況以手拔? [SG0603051]
なぜ慈悲を持つ者が、衆生の血肉を食用としようか?
云何大悲,取諸眾生血肉充食? [SG0603052]
もし比丘が、東国の絹(蚕の繭から取った糸)織物、本国の皮靴(動物の皮で作った靴)や皮衣(動物の毛皮で作った衣)を用いず、また、乳・酪・醍醐など乳製品を食用としないならば、その比丘は過去のすべての借りをすでに完済し、真に三界を脱した者である。
若諸比丘不服東方絲綿絹帛,及是此土靴履裘毳、乳酪醍醐,如是比丘於世真脫,酬還宿債,不遊三界。[SG0603053]
なぜかというと、すべての縁を断ち切ったからだ。
何以故? 服其身分皆為彼緣。[SG0603054]
たとえば、天人が大地の穀物を食べれば、大地を離れることができない(天界に戻れない)。
如人食其地中百穀,足不離地。[SG0603055]
身も心も必ず殺生の業から遠ざかり、少しだけでも食べず、用いない。私はその人を真の解脱者と呼ぶ。
必使身心,於諸眾生,若身身分,身心二途不服不食,我說是人真解脫者。[SG0603056]
このように説くのは如来の教えである。
如我此說,名為佛說;[SG0603057]
このように説くのでないのは、波旬の言葉だ。
不如此說,即波旬說。[SG0603058]
不偸盗
また、アーナンダよ! もし諸世界の六道の衆生が身心から偸盗を断ち切れば、生死輪廻から解放されることができる。
阿難! 又復世界六道眾生,其心不偷,則不隨其生死相續。[SG0603059]
三昧を修めて塵労を離れようとするなら、偸盗を断ち切らない限り、塵労から解放されることができない。
汝修三昧本出塵勞,偷心不除,塵不可出。[SG0603060]
たとえ智慧が深く、禅定に入ることができても、偸盗を断ち切らなければ、必ず邪道に落ちるのだ。
縱有多智、禪定現前,如不斷偷,必落邪道:[SG0603061]
上位の者は精霊、中位の者は夢魔、下位の者は魅惑されて邪悪な人となる。
上品精靈,中品妖魅,下品邪人、諸魅所著。[SG0603062]
それらの妖魔もまた自分がすでに無上の道を成就したと詐称し、多くの信者を得る。
彼等群邪亦有徒眾,各各自謂成無上道。[SG0603063]
私が入滅した後、末法の世には多くの妖魔が世間にいて、風俗を害し、善知識を名乗り、無上の法を得たと詐称する。
我滅度後末法之中,多此妖邪熾盛世間,潛匿姦欺。稱善知識,各自謂己得上人法。[SG0603064]
無知な人々を惑わし、恐怖に陥れ、至る所で人々の家を衰えさせる。
詃惑無識,恐令失心,所過之處,其家耗散。[SG0603065]
私が比丘たちに托鉢をさせるのは、皆に貪欲を離れさせ、菩薩の道を成就させるためだ。
我教比丘循方乞食,令其捨貪,成菩薩道。[SG0603066]
僧団において自炊を禁じるのは、この三界が旅の宿にすぎず、解脱に至った後には二度とこの世に戻らないことを示すためなのだ。
諸比丘等不自熟食,寄於殘生,旅泊三界,示一往還去已無返。[SG0603067]
なぜそれらの妖魔たちは僧衣を着て、信徒から利益を騙し取り、さまざまな悪事を為すのか?
云何賊人假我衣服、禆販如來,造種種業? [SG0603068]
出家は仏法ではないと説き、戒律を守る比丘が『小乗の者』であると誹謗中傷する。
皆言佛法,却非出家,具戒比丘為小乘道。[SG0603069]
このように無数の衆生を惑わし、共に無間地獄に落ち入る。
由是疑誤無量眾生,墮無間獄。[SG0603070]
私が入滅した後、発心して三摩提を修めようとする比丘が、如来の像の前で、自身に灯をともし、指の一節を焼き、及び身に香を焚くならば、
若我滅後,其有比丘發心決定修三摩提,能於如來形像之前,身然一燈,燒一指節,及於身上爇一香炷,[SG0603071]
私は、『その者は無始以来の借りをすでに完済し、永遠に世間を離れ、煩悩が尽きた』と言おう。
我說是人無始宿債一時酬畢,長挹世間,永脫諸漏。[SG0603072]
その人はなお無上の覚悟の道を知らずとも、仏法への信心は決して動揺しない。
雖未即明無上覺路,是人於法已決定心。[SG0603073]
もし身を惜しみ、捨てることができなければ、たとえ無為の境地に達しても、必ず再び人間に生まれ、過去の借りを返さなければならない。
若不為此捨身微因,縱成無為,必還生人酬其宿債。[SG0603074]
これは、私が『馬麦(馬の飼料)の報い』を受けたのと同じである。
如我馬麥,正等無異。[SG0603075]
三摩地に入りたいなら、次は偸盗を断ち切るべきだ。
汝教世人修三摩地,後斷偷盜;[SG0603076]
これは三世の如来たちが明示した、第三の絶対の清浄の戒である。
是名如來先佛世尊第三決定清淨明誨。[SG0603077]
ゆえにアーナンダよ! 偸盗を断ち切らずに禅定を修めることは、底が抜けた巵(古代の酒器)に水を注ぐようなものだ。
是故阿難! 若不斷偷修禪定者,譬如有人水灌漏巵,[SG0603078]
たとえ微塵数の劫をかけても、決して満ちることはない。
欲求其滿,縱經塵劫終無平復。[SG0603079]
もし比丘が三衣一鉢(下衣・上衣・大衣と食器)以外に何も蓄えず、
若諸比丘,衣鉢之餘分寸不畜,[SG0603080]
乞いて得た食物の余りを飢えた衆生に施し、
乞食餘分施餓眾生,[SG0603081]
人々に会えば合掌して礼を尽くし、
於大集會合掌禮眾,[SG0603082]
罵倒されても称讃を受けるように受け流し、
有人捶罵同於稱讚。[SG0603083]
身心を惜しまず、自身の骨・血・肉さえも施すことができ、
必使身心二俱捐捨,身肉骨血與眾生共。[SG0603084]
如来の不了義(実相を理解できない衆生に説く不完全な言論)の教えを勝手に曲げて初心者を誤らせることがないなら、
不將如來不了義說迴為己解,以誤初學。[SG0603085]
如来はその人が『真の三昧』を得たことを認証する。
佛印是人,得真三昧。[SG0603086]
このように説くのは如来の教えである。
如我此說,名為佛說;[SG0603087]
このように説くのでないのは、波旬の言葉だ。
不如此說,即波旬說。[SG0603088]
不妄語
アーナンダよ! 諸世界の六道の衆生は、たとえ身心から殺生・窃盗・情欲を断ち切り、三つの戒を円満に守っても、
阿難! 如是世界六道眾生,雖則身心無殺、盜、婬,三行已圓;[SG0603089]
もし大妄語(嘘をつく)を犯せば、三摩地の境地は不浄となり、慢心の魔となり、如来の種を失ってしまう。
若大妄語,即三摩提不得清淨,成愛見魔,失如來種。[SG0603090]
すなわち、悟っていないのに悟ったと詐称し、成道していないのに成道したと詐称する。
所謂未得謂得,未證言證,[SG0603091]
あるいは『世界一の尊勝(尊くすぐれていること)者』という名声を求めるため、
或求世間尊勝第一。[SG0603092]
『私はすでに須陀洹・斯陀含(声聞乗の四果中の二果)・阿那含・阿羅漢・辟支仏(縁覚あるいは独覚)・十地(菩薩の五十六の段階で、第四十一位から第五十位までの階位)の菩薩・十地の前の菩薩などの果位を得た』と詐称し、その名声によって人々の尊敬や供養を騙し取る。
謂前人言:『我今已得須陀洹果、斯陀含果、阿那含果、阿羅漢道、辟支佛乘、十地、地前諸位菩薩。」求彼禮懺,貪其供養,[SG0603093]
このような者は一闡提であり、刀で多羅樹を切り倒す(再生できない)が如く、自分の如来の種を断ち切った者である。
是一顛迦,銷滅佛種,如人以刀斷多羅木。[SG0603094]
如来は断言する、『そのような者は永遠に善根を断ち切り、如来の知見を失い、苦海の中に沈み、三昧を成就できない』と。
佛記是人永殞善根,無復知見,沈三苦海,不成三昧。[SG0603095]
私が入滅した後の末法の世、菩薩と阿羅漢は私の命令に従い、種々の姿となって輪廻する衆生を導く。
我滅度後,勅諸菩薩及阿羅漢,應身生彼末法之中,作種種形度諸輪轉——[SG0603096]
あるいは沙門、あるいは白衣の居士、あるいは国王、官吏、童男、童女となり、さらには遊女・未亡人・強盗・肉屋など、境遇に応じた姿を現し、如来の教えを称賛し、衆生を三摩地へ導く。
或作沙門、白衣居士、人王、宰官、童男、童女,如是乃至婬女、寡婦、姦偷、屠販——與其同事稱歎佛乘,令其身心入三摩地,[SG0603097]
しかし彼らは、決して「私は真の菩薩や真の阿羅漢だ」と明言せず、如来の指示を軽率に未熟者に漏らすことがなく、
終不自言『我真菩薩、真阿羅漢」,泄佛密因,輕言未學;[SG0603098]
ただ命が尽きる時に隠語を残して秘密を伝えるのみだ。
唯除命終,陰有遺付。[SG0603099]
なぜそれらの妖魔たちは衆生を惑わし、大妄語をするのか?
云何是人惑亂眾生,成大妄語? [SG0603100]
三摩地に入りたいなら、次は大妄語を断ち切るべきだ。
汝教世人修三摩地,後復斷除諸大妄語,[SG0603101]
これは三世の如来たちが明示した、第四の絶対の清浄の戒である。
是名如來先佛世尊第四決定清淨明誨。[SG0603102]
ゆえにアーナンダよ! 大妄語を断ち切らずに禅定を修めることは、人の糞で栴檀(香木)の形を刻み、それから香りを求めるようなものだ。
是故阿難! 若不斷其大妄語者,如刻人糞為栴檀形,欲求香氣無有是處。[SG0603103]
私は比丘たちに、『直心(素直な心)は道場である』と教え、四威儀(歩くこと、立つこと、座ること、横になることなどの平常の起居動作の様子)において虚偽があることを許さない。
我教比丘直心道場,於四威儀一切行中尚無虛假,[SG0603104]
なぜ無上の法を得たと詐称するのか?
云何自稱得上人法? [SG0603105]
たとえば、貧しい者が帝王を名乗れば、自ら破滅を招くにすぎない。
譬如窮人妄號帝王,自取誅滅。[SG0603106]
ましてや法王の称号を、なぜ盗み取ることができると思うのか?
況復法王,如何妄竊? [SG0603107]
因地の心が不正直ならば、果地の心は必ず歪む。
因地不直,果招紆曲。[SG0603108]
そのような心で如来の悟りを求めるのは、自分の臍を噛もうとするようなもので、できる者はいるだろうか?
求佛菩提,如噬臍人欲誰成就? [SG0603109]
もし比丘たちの心が弦のように真っ直ぐで、すべてが真実であれば、三摩地に入ることができ、魔障が永遠に出現しないのだ。
若諸比丘心如直絃,一切真實,入三摩提永無魔事。[SG0603110]
私はその者が必ず菩薩の無上の悟りを成就することを認証する。
我印是人,成就菩薩無上知覺。[SG0603111]
このように説くのは如来の教えである。
如我是說,名為佛說;[SG0603112]
このように説くのでないのは、波旬の言葉だ。」
不如此說,即波旬說。」[SG0603113]
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