【楞厳経】巻五
六解一亡
アーナンダはお釈迦様に言いました。
阿難白佛言:[SG0501001]
「世尊様! 世尊様はすでに発心の二つの根本を説いてくださいましたが、
「世尊! 如來雖說第二義門,[SG0501002]
世間の人々が結びの構造を理解できなければ、きっと結びを解くことはできないでしょう。
今觀世間解結之人,若不知其所結之元,我信是人終不能解。[SG0501003]
世尊様! 私や、この大会に集う有学の声聞たちも同じでございます。
世尊! 我及會中有學聲聞,亦復如是。[SG0501004]
無始以来無明に従って生滅してまいりました。
從無始際,與諸無明俱滅俱生,[SG0501005]
たとえ出家して多くの教えを拝聴したとしても、まるで瘧が断続的に発するように、無明を断ち切ることができかねます。
雖得如是多聞善根,名為出家,猶隔日瘧。[SG0501006]
どうか苦海の中に沈んだ私たちにご慈悲をくださり、
唯願大慈哀愍淪溺! [SG0501007]
また、未来の衆生が輪廻を免れ、三界に落ち込まないように、身心の結びとは何か、どのように解くかをご説明ください。」
今日身心云何是結? 從何名解? 亦令未來苦難眾生,得免輪迴,不落三有。」[SG0501008]
そう言い終えると、皆はお釈迦様に五体投地をし、涙が雨のように零れ、誠心誠意お釈迦様の無上の教えに聴き入りました。
作是語已,普及大眾五體投地,雨淚翹誠,佇佛如來無上開示。[SG0501009]
その時、お釈迦様はアーナンダと有学の会衆を憐れみ、また、未来のすべての衆生を出世間の道へ導くため、
爾時,世尊憐愍阿難及諸會中諸有學者,亦為未來一切眾生為出世因,作將來眼。[SG0501010]
閻浮檀金の紫金色に輝く御手でアーナンダの頭を撫でました。
以閻浮檀紫金光手摩阿難頂,[SG0501011]
すると、十方の仏土に六種類の震動が起こり、
即時十方普佛世界六種振動,[SG0501012]
微塵数の在世(世に生きていること)の如来は、それぞれの頭の頂から宝光を放ち、それらの光は同時に飛来してお釈迦様に灌頂しました。
微塵如來住世界者,各有寶光從其頂出,其光同時於彼世界來祇陀林灌如來頂。[SG0501013]
会衆はこの未曾有の光景を目にしました。
是諸大眾得未曾有! [SG0501014]
そこで、十方の微塵数の如来は口を揃えてアーナンダに言いました。
於是阿難及諸大眾,俱聞十方微塵如來異口同音告阿難言:[SG0501015]
「これはいい質問だ。アーナンダよ。
「善哉! 阿難! [SG0501016]
無明を生じてお前を生死輪廻に陥れる身心の結びとは、お前の六根にほかならない。
汝欲識知俱生無明,使汝輪轉生死結根,唯汝六根更無他物。[SG0501017]
また、速やかに無上の悟りを開き、安楽・解脱・寂静・妙常(いつも素晴らしいこと)の境地に達する鍵もまた、お前の六根にほかならないのだ。」
汝復欲知無上菩提,令汝速證安樂解脫寂靜妙常,亦汝六根更非他物!」[SG0501018]
アーナンダは如来方の法音を聴きましたが、なお理解できず、お釈迦様に礼拝して問いました。
阿難雖聞如是法音,心猶未明,稽首白佛:[SG0501019]
「どうして私を生死輪廻に陥れるものと、安楽・妙常の境地に達する鍵も、同じ六根にほかならないのでしょうか?」
「云何令我生死輪迴,安樂妙常,同是六根更非他物?」[SG0501020]
お釈迦様はアーナンダに告げました。
佛告阿難:[SG0501021]
「根と塵の本源は同一であり、束縛と解脱の本質は不二である。
「根、塵同源,縛、脫無二,[SG0501022]
識の性は虚妄であり、虚空に現れる砂嵐のようなものだ。
識性虛妄,猶如空花。[SG0501023]
アーナンダよ! 塵がなければ知覚はない。根がなければ相はない。
阿難! 由塵發知,因根有相,[SG0501024]
知覚と相は自性がなく、互いに絡み合う葦の如きものである。
相見無性同於交蘆。[SG0501025]
ゆえに、お前は覚性にさらに偽りの知覚を付け加える。これが無明の根本である。
是故汝今,知見立知即無明本;[SG0501026]
覚性に別の知覚を交えなければ、これこそが涅槃である。
知見無見斯即涅槃。[SG0501027]
なぜ無漏の清浄な覚性の中に他のものがあると思うのか?」
無漏真淨,云何是中更容他物?」[SG0501028]
その時、お釈迦様は詩をもってこの理をもう一度説きました。
爾時,世尊欲重宣此義,而說偈言:[SG0501029]
「真性から生起する有為の法は本来空であり、縁によって生起するゆえに幻のようである。
「真性有為空,緣生故如幻;[SG0501030]
無為の真性は生滅することがなく、さまざまな幻影は虚空に現れる砂嵐のようなものである。
無為無起滅,不實如空花。[SG0501031]
真実を示すために虚妄を説くが、そもそも虚妄も真実も仮の名である。
言妄顯諸真,妄真同二妄。[SG0501032]
真実とも不真実とも言えず、見の主体と見の対象はどのように成り立つのか?
猶非真非真,云何見所見? [SG0501033]
その間には真実がなく、絡み合う葦のようである。
中間無實性,是故若交蘆。[SG0501034]
束縛と解脱は同じく根に依り、凡夫の道と聖者の道は二つではない。
結解同所因,聖凡無二路。[SG0501035]
よく観察しなさい、根と塵との接触は空でも有でもない。
汝觀交中性,空有二俱非。[SG0501036]
迷いは無明であり、真性を現すことは解脱である。
迷晦即無明,發明便解脫。[SG0501037]
結びを解くことには順序があり、六根の結びが解ければ、一もまた消え去る(六解一亡)。
解結因次第。六解一亦亡。[SG0501038]
円通の根を選びて修行し、正覚の境地に達しよう。
根選擇圓通,入流成正覺。[SG0501039]
阿陀那識(第八識の別称)という微細な識は無明に蝕まれて妄想の急流になった。
陀那微細識,習氣成暴流,[SG0501040]
恐らく衆生がこの真実と不真実の理に迷うゆえ、私は常にこれを説かなかった。
真非真恐迷,我常不開演。[SG0501041]
自心(根)は自心(塵)を感じるゆえ、本来非幻の真性に幻が生じた。
自心取自心,非幻成幻法。[SG0501042]
何も認めなければ、非幻(真)という観念はなくなる。
不取無非幻,[SG0501043]
非幻さえもなければ、幻が成り立つことはできるか?
非幻尚不生;幻法云何立? [SG0501044]
この法門は『妙蓮華』、または『金剛王宝覚』、または『如幻三摩地』と呼ばれる。
是名妙蓮華,金剛王寶覺、如幻三摩提,[SG0501045]
これを修めれば、弾指の間(瞬間)に無学の境地に達することができる。
彈指超無學。[SG0501046]
十方の薄伽梵(如来の称号)たちは、この阿毘達磨(論蔵)の道によって涅槃の門に入るのである。」
此阿毘達磨,十方薄伽梵,一路涅槃門。」[SG0501047]
このようにして、お釈迦様は詩を読みました。詩は簡潔で、道理は明瞭です。アーナンダと会衆は、お釈迦様の無上の慈悲に満ちた教えを聞き、心も目も開き、未曾有の喜びでいっぱいでした。
於是阿難及諸大眾,聞佛如來無上慈誨,祇夜伽陀雜糅精瑩,妙理清徹,心目開明,歎未曾有。[SG0501048]
アーナンダは合掌し、お釈迦様に頂礼して問いました。
阿難合掌、頂禮白佛:[SG0501049]
「私は、いま世尊様の無遮の慈悲に満ちた真相についての説明を拝聴しましたが、『六解一亡』の理が理解できかねます。
「我今聞佛無遮大悲、性淨妙常真實法句,心猶未達六解一亡,[SG0501050]
また、いったいどのように結びを解くのでしょうか?
舒結倫次;[SG0501051]
どうかご慈悲を! 再びこの大会に集う会衆及び将来の衆生に法音を賜り、皆の心にある汚染をご除去ください。」
惟垂大慈,再愍斯會及與將來,施以法音,洗滌沈垢!」[SG0501052]
その時、お釈迦様は師子の座で袈裟、肌着を整え、
即時如來於師子座,整涅槃僧,斂僧伽梨,[SG0501053]
手を伸ばして七宝(金・銀・瑠璃・硨磲・瑪瑙・珊瑚・玻璃)の机の上にあった、夜摩天の王から献上された華巾(スカーフ)を取り上げ、会衆の前でその華巾を結んで一つの結びを作りました。
攬七寶机,引手於机,取劫波羅天所奉華巾,於大眾前綰成一結。[SG0501054]
そして、アーナンダに示して問いました。
示阿難言:[SG0501055]
「これは何か?」
「此名何等?」[SG0501056]
アーナンダと会衆は答えました。
阿難、大眾俱白佛言:[SG0501057]
「それは結びでございます。」
「此名為結。」[SG0501058]
お釈迦様は再び華巾を結んでもう一つの結びを作り、アーナンダに問いました。
於是如來綰疊華巾,又成一結,重問阿難:[SG0501059]
「これは何か?」
「此名何等?」[SG0501060]
アーナンダと会衆はまたお釈迦様に答えました。
阿難、大眾又白佛言:[SG0501061]
「それも結びでございます。」
「此亦名結。」[SG0501062]
このように結びを一つ一つ作り、合計六つの結びを作りました。
如是倫次綰疊華巾,總成六結。[SG0501063]
結びを作るたびに、お釈迦様はアーナンダに示して問いました。
一一結成,皆取手中所成之結持問阿難:[SG0501064]
「これは何か?」
「此名何等?」[SG0501065]
アーナンダと会衆は毎度、同様に答えました。
阿難、大眾,亦復如是次第酬佛:[SG0501066]
「それは結びでございます。」
「此名為結。」[SG0501067]
お釈迦様はアーナンダに言いました。
佛告阿難:[SG0501068]
「私が最初に結びを作った時、お前はそれを結びと呼んだ。
「我初綰巾;汝名為結,[SG0501069]
しかし、ただ一本の華巾があるのに、なぜお前は二つ目、三つ目のものも同じく結びと呼ぶのか?」
此疊華巾先實一條,第二第三云何汝曹復名為結?」[SG0501070]
アーナンダ:
阿難白佛言:[SG0501071]
「世尊様。確かにこの宝畳華の模様が縫い込まれた華巾はただ一本がございますが、私はこのように存じております、
「世尊! 此寶疊華緝績成巾,雖本一體。如我思惟:[SG0501072]
『華巾を一度結べば華巾には一つの結びができ、
『如來一綰得一結名,[SG0501073]
百度結べば百の結びができます。
若百綰成終名百結。[SG0501074]
いま、華巾には六つの結びがあり、七つには達せず、五つだけでもありません。』
何況此巾秖有六結,終不至七,亦不停五?』[SG0501075]
世尊様。どうして最初の一つだけは結びと呼ばれ、二つ目、三つ目を結びと呼んではならないのでしょうか?」
云何如來秖許初時,第二、第三不名為結?」[SG0501076]
お釈迦様:
佛告阿難:[SG0501077]
「お前の言うとおり、華巾は本来一本あり、六度結べば六つの結びがある。
「此寶華巾,汝知此巾元止一條,我六綰時名有六結。[SG0501078]
よく観察しなさい。華巾は一つのものであるが、結びがあるゆえに区別が生じた。
汝審觀察,巾體是同,因結有異。[SG0501079]
どう思うか? 最初に作った結びを第一と呼び、順に六つの結びを作った。
於意云何? 初綰結成名為第一,如是乃至第六結生,[SG0501080]
いま私が第六の結びを第一と呼ぶ、これは正しいか?」
吾今欲將第六結名成第一不?」[SG0501081]
アーナンダ:
[SG0501082]
「いいえ、世尊様。六つの結びがある限り、第六の結びは決して第一ではありません。
「不也,世尊! 六結若存,斯第六名終非第一。[SG0501083]
どのように弁明しても、六つの結びの順を乱すことはできません。」
縱我歷生盡其明辯,如何令是六結亂名?」[SG0501084]
お釈迦様:
佛言:[SG0501085]
「六つの結びは同一ではないが、皆は同一の華巾から作られたものだ。その順を乱すことはできない。
「六結不同,循顧本因一巾所造,令其雜亂終不得成。[SG0501086]
六根もまた同じく、元は同一の覚性から生じた別々のものなのである。」
則汝六根亦復如是,畢竟同中生畢竟異。」[SG0501087]
そして、お釈迦様はアーナンダに問いました。
佛告阿難:[SG0501088]
「さて、やはり六つの結びを解いて華巾を一本の姿に戻したほうがよいだろう? では、どうすればよいか?」
「汝必嫌此六結不成,願樂一成,復云何得?」[SG0501089]
アーナンダ:
阿難言:[SG0501090]
「華巾に結びがある限り、『これはあれではなく、あれはこれではありません』という対立は必ず生じます。
「此結若存,是非鋒起,於中自生此結非彼,彼結非此。[SG0501091]
もしそれらの結びがすべて解ければ、『これ』も『あれ』も消え去り、
如來今日若總解除,結若不生,則無彼此,[SG0501092]
一さえも成り立たず、六が成り立つはずはありません。」
尚不名一,六云何成?」[SG0501093]
お釈迦様:
佛言:[SG0501094]
「『六解一亡』の理もまた同じである。
「六解一亡,亦復如是,[SG0501095]
衆生の心は無始から狂乱しており、むちゃくちゃに誤った知見を生じて止まない。
由汝無始心性狂亂,知見妄發,發妄不息,[SG0501096]
そして、心は疲れすぎて塵相が現れたのだ。
勞見發塵。[SG0501097]
目が疲れすぎて虚空に砂嵐が見えるように、湛然で、清明な真心の中には、因もなくさまざまな幻相がむちゃくちゃに現れた。
如勞目睛,則有狂花。於湛精明無因亂起;[SG0501098]
世間の山河や大地、生死や涅槃などもまた、疲れた心の中に現れる砂嵐のような幻影にすぎないのである。」
一切世間山河大地,生死涅槃,皆即狂勞顛倒花相。」[SG0501099]
アーナンダ:
阿難言:[SG0501100]
「では、どのようにすれば塵労の結びを解くことができるのでしょうか?」
「此勞同結,云何解除?」[SG0501101]
お釈迦様は手で華巾の左端を左へ引っ張り、アーナンダに問いました。
如來以手,將所結巾偏掣其左,問阿難言:[SG0501102]
「このように結びを解くか?」
「如是解不?」[SG0501103]
アーナンダ:
[SG0501104]
「いいえ、世尊様。そうではございません。」
「不也,世尊!」[SG0501105]
次にお釈迦様は手で華巾の右端を右へ引っ張り、再び問いました。
旋復以手偏牽右邊,又問阿難:[SG0501106]
「では、このように結びを解くか?」
「如是解不?」[SG0501107]
アーナンダ:
[SG0501108]
「いいえ、世尊様。そうではございません。」
「不也,世尊!」[SG0501109]
お釈迦様:
佛告阿難:[SG0501110]
「私は左右へ引っ張ってみたが、結びを解くことはできなかった。お前ならどのように解くのか?」
「吾今以手左右各牽,竟不能解,汝設方便云何成解?」[SG0501111]
アーナンダ:
阿難白佛言:[SG0501112]
「世尊様。結び目の中心を緩めれば、自然に解けるでしょう。」
「世尊! 當於結心,解即分散。」[SG0501113]
お釈迦様:
佛告阿難:[SG0501114]
「そのとおりだ。結びを解こうとするならば、その中心を緩めるべきだ。
「如是,如是! 若欲除結,當於結心。[SG0501115]
アーナンダよ! 私は、『諸法は因縁によって生起する』と説くが、それは物や現象の和合という偽りの相を指すのではない。
阿難! 我說佛法從因緣生,非取世間和合麁相。[SG0501116]
如来は世間の法と出世間の法を熟知する。なぜなら、物事の因と縁を見極めることができるからだ。
如來發明世出世法,知其本因隨所緣出,[SG0501117]
たとえ恒河沙数の世界の外に降る雨滴の数でも知っている。
如是乃至恒沙界外一滴之雨亦知頭數,[SG0501118]
なぜ目の前にある松の木が真っ直ぐか、
現前種種松直、[SG0501119]
茨が曲がるか、
棘曲、[SG0501120]
鵠(白鳥)が白いか、
鵠白、[SG0501121]
カラスが黒いか、すべての因縁を知っている。
烏玄皆了元由。[SG0501122]
ゆえにアーナンダよ! お前は心に従い、六根から一つを選びなさい。
是故阿難! 隨汝心中選擇六根,[SG0501123]
もしその根の結びが解ければ、塵境という幻相は自然に消滅する。
根結若除,塵相自滅;[SG0501124]
幻相が尽きれば、真心が現れないことはあるだろうか?
諸妄銷亡,不真何待! [SG0501125]
アーナンダよ! 答えよ、この夜摩天の華巾には六つの結びがある。六つを同時に解くことはできるのか?」
阿難! 吾今問汝,此劫波羅巾六結現前,同時解縈得同除不?」[SG0501126]
アーナンダ:
[SG0501127]
「できません。世尊様。
「不也,世尊! [SG0501128]
それらの結びは一つずつ作られたものですから、一つずつ解かなければなりません。
是結本以次第綰生,今日當須次第而解。[SG0501129]
同一の華巾の結びであっても、同時に作られたものではありません。どうして同時に解くことができるのでしょうか?」
六結同體,結不同時,則結解時云何同除?」[SG0501130]
お釈迦様:
佛言:[SG0501131]
「六根の結びを解くことも同じである。
「六根解除,亦復如是。[SG0501132]
まず根の結びが解ければ、『人空』の境地に達する。
此根初解,先得人空;[SG0501133]
空の性がさらに円明に現れれば、『法解脱(法空)』の境地に達する。
空性圓明,成法解脫;[SG0501134]
その後、人空も法空も超越し、空という偽りの認知さえも断ち切る。
解脫法已俱空不生,[SG0501135]
これは、菩薩が三摩地によって無生法忍を悟るということである。」
是名菩薩從三摩地得無生忍。」[SG0501136]
アーナンダと会衆は、お釈迦様の説法を聴き、覚性が本来円通であることに、疑いをはさむ余地がありませんでした。
阿難及諸大眾蒙佛開示,慧覺圓通,得無疑惑。[SG0501137]
皆は合掌し、お釈迦様に頂礼して言いました。
一時合掌、頂禮雙足而白佛言:[SG0501138]
「いま私たちの身心は清明で、爽やかで、自在でございます。
「我等今日,身心皎然,快得無礙。[SG0501139]
六解一亡の理を承知しましたが、円通の根がどれなのか、まだ存じません。
雖復悟知一六亡義,然猶未達圓通本根。[SG0501140]
世尊様。私たちは長い劫の間孤独にさまよってきました。慈父のような世尊様に巡り合えたのは、まことに幸いでございます。
世尊! 我輩飄零,積劫孤露,何心何慮預佛天倫,[SG0501141]
これは、飢えた赤子が慈母に遇うような感じです。
如失乳兒忽遇慈母! [SG0501142]
この珍しい機会に乗じて成道するのを望んでおります。
若復因此際會道成,[SG0501143]
世尊様からご指導を賜りましたが、悟りを得られないならば、それは聴かなかったのと同じではございませんか?
所得密言還同本悟,則與未聞無有差別? [SG0501144]
どうかご慈悲を、私たちに秘密の楞厳の法を授け、最後のご指導を成就させてください。」
唯垂大悲惠我祕嚴,成就如來最後開示!」[SG0501145]
そう言い終えると、皆はお釈迦様に五体投地をし、そしてそばに退き、世尊様が秘法を授けるのを待ち望みました。
作是語已,五體投地,退藏密機,冀佛冥授。[SG0501146]
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