優波離

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 > 8.ウパーリ尊者


 ウパーリそんじゃ


そこで、おシャ様はウパーリそんじゃりつ第一)に言いました。

佛告優波離:[VK0308001]

「お前がゆいきついに行ってきなさい。」

「汝行詣維摩詰問疾。」[VK0308002]


ウパーリはおシャ様に語りました。

優波離白佛言:[VK0308003]

「申し訳ございません。そん様。私はその御方をうことができかねます。なぜかというと、

「世尊!我不堪任詣彼問疾。所以者何?[VK0308004]

かつて、ある二人のかいりつを犯しましたが、

憶念昔者,有二比丘犯律行,[VK0308005]

恥ずかしくてそん様にざんする勇気はなかったのです。

以為恥,不敢問佛,[VK0308006]


彼らは来て私に言いました。

來問我言:[VK0308007]

『ウパーリさん! 何と言うか、

『唯,優波離![VK0308008]

私たちはかいりつを犯しましたが、恥ずかしくてそん様にざんする勇気がないのです。

我等犯律,誠以為恥,不敢問佛,[VK0308009]

お願いします。どうか私たちをわくと後悔から解放し、

願解疑悔,[VK0308010]

私たちの苦しみを消してください。』

得免斯咎!』[VK0308011]

それで、私は仏教のりっぽうどおりに彼らに解説いたしました。

我即為其如法解說。[VK0308012]


その時、ゆいきつ様がお見えになり、私に話しかけられました。

時維摩詰來謂我言:[VK0308013]

『待ちなさい! ウパーリさんよ! さらに彼らの罪を深めるな! 

『唯,優波離!無重增此二比丘罪![VK0308014]

彼らの心を乱さずに直接罪を除くべきだ。なぜなら、

當直除滅,勿擾其心。所以者何?[VK0308015]

罪というものは身内にも、身外にも、内外の中間にもないのだ。

彼罪性不在內、不在外、不在中間,[VK0308016]

そん様のおっしゃるとおり、

如佛所說,[VK0308017]

心が汚ければ、しゅじょうも汚いのだ。

心垢故眾生垢,[VK0308018]

心がしょうじょうであれば、しゅじょうしょうじょうだ。

心淨故眾生淨。[VK0308019]

心もまた身内にも、身外にも、内外の中間にもないのだ。

心亦不在內、不在外、不在中間,[VK0308020]

心がそうであるように、罪もそうであり、しょほうもそうである。

如其心然,罪垢亦然,諸法亦然,[VK0308021]

しんにょはな ておらぬからだ。

不出於如。[VK0308022]

例えば、お前が心がだつきょうに至った時、心には汚れがあるだろうか?』

如優波離,以心相得解脫時,寧有垢不?』[VK0308023]


私はお答えいたしました。

我言:[VK0308024]

『いいえ、ございませんでした。』

『不也!』[VK0308025]


ゆいきつ様はおっしゃいました。

維摩詰言:[VK0308026]

『まさにそのように、すべてのしゅじょうも心には汚れがないのだ。ウパーリさんよ! 

『一切眾生心相無垢,亦復如是。唯,優波離![VK0308027]

もうそうは垢であり、もうそうがなければしょうじょうだ。

妄想是垢,無妄想是淨;[VK0308028]

てんとうは垢であり、てんとうがなければしょうじょうだ。

顛倒是垢,無顛倒是淨;[VK0308029]

そうは垢であり、そうがなければしょうじょうだ。ウパーリさんよ、

取我是垢,不取我是淨。優波離![VK0308030]

あらゆる法はしょうめつしてへんしていること、

一切法生滅不住,[VK0308031]

幻の如く、いなずまの如し。

如幻如電,[VK0308032]

しょほうは互いに待っておらず、

諸法不相待,[VK0308033]

一念という瞬間さえとどまっておらぬ。

乃至一念不住;[VK0308034]

しょほうは皆もうけんであり、

諸法皆妄見,[VK0308035]

夢の如く、かげろうの如く、

如夢、如炎、[VK0308036]

水中のげつえい(水面に映ったげつえい)の如く、

如水中月、[VK0308037]

鏡中の像(鏡に映った映像)の如く、

如鏡中像,[VK0308038]

もうそうから生じるのだ。

以妄想生。[VK0308039]


これが分かった者こそがかいりつを守っているのだ。

其知此者,是名奉律;[VK0308040]

これが分かった者こそが仏法に通じたのだ。』

其知此者,是名善解。』[VK0308041]


それで、二人のゆいきつ様をしょうさんしました。

於是二比丘言:[VK0308042]

『何と素晴らしいでしょう! 

『上智哉![VK0308043]

それはウパーリさんが及ばないなのです。

是優波離所不能及,[VK0308044]

たとえりつ第一としょう れるそんじゃでも、このように素晴らしいきょうはできないのですね。』

持律之上而不能說。』[VK0308045]


私は申しました。

我即答言:[VK0308046]

にょらい様のほかに、しょうもんでもさつでも、ゆいきつ様をろんできる者はいないのです。

『自捨如來,未有聲聞及菩薩,能制其樂說之辯,[VK0308047]

この御方はこんなに素晴らしいを持っておいでになるのです!』

其智慧明達,為若此也!』[VK0308048]


あの時、二人のは即座にわくと後悔から解放され、

時二比丘疑悔即除,[VK0308049]

のくさんみゃくさんだいしんを発しました。

發阿耨多羅三藐三菩提心,[VK0308050]

そして、その二人はこう祈りました。

作是願言:[VK0308051]

『すべてのしゅじょうが皆、ゆいきつ様のようなべんさいがありますように。』

『令一切眾生皆得是辯。』[VK0308052]


それゆえ、私はその御方をうことができかねます。」

故我不任詣彼問疾。」[VK0308053]



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