迦旃延
【維摩経】弟子品
カーティヤーヤナ尊者
そこで、お釈迦様はマハーカーティヤーヤナ尊者(論議第一)に言いました。
佛告摩訶迦旃延:[VK0306001]
「お前が維摩詰を見舞いに行ってきなさい。」
「汝行詣維摩詰問疾。」[VK0306002]
カーティヤーヤナはお釈迦様に語りました。
迦旃延白佛言:[VK0306003]
「申し訳ございません。世尊様。私はその御方を見舞うことができかねます。なぜかというと、
「世尊!我不堪任詣彼問疾。所以者何?[VK0306004]
かつて、世尊様は比丘たちに仏法の要点を簡単に説明してくださり、
憶念昔者,佛為諸比丘略說法要,[VK0306005]
その後、私は皆に詳しく無常・苦・空・無我・寂滅(静寂・空の状態)の意味を解説してさしあげました。
我即於後,敷演其義,謂無常義、苦義、空義、無我義、寂滅義。[VK0306006]
その時、維摩詰様がお見えになり、私に話しかけられました。
時維摩詰來謂我言:[VK0306007]
『ちょっと! カーティヤーヤナさんよ!
『唯,迦旃延![VK0306008]
生滅のある観念に基づいて実相を説明してはだめだ。
無以生滅心行,說實相法。[VK0306009]
カーティヤーヤナさんよ、
迦旃延![VK0306010]
(真如/実相=常=海。諸法=無常/一時の現象=海の浪)
諸法はもともと生滅がない、これは無常の意味だ。
諸法畢竟不生不滅,是無常義;[VK0306011]
五受陰(色・受・想・行・識。身心の五つの要素)の本質は空であり、起こることがない、これは苦の意味だ。
五受陰,洞達空無所起,是苦義;[VK0306012]
諸法はもともと独自に存在するのではない(海の浪はただ海の一部分)、これは空の意味だ。
諸法究竟無所有,是空義;[VK0306013]
我(海の浪)と無我(海)は不二(別物ではない)である、これは無我の意味だ。
於我、無我而不二,是無我義;[VK0306014]
諸法はもともと生じることがないゆえに消滅もない、これは寂滅の意味だ。』
法本不然,今則無滅,是寂滅義。』[VK0306015]
維摩詰様がこのご教示をお説きになった時、比丘たちは心が解放されました。
說是法時,彼諸比丘心得解脫。[VK0306016]
それゆえ、私はその御方を見舞うことができかねます。」
故我不任詣彼問疾。」[VK0306017]
【維摩経】弟子品
カーティヤーヤナ尊者
そこで、お釈迦様はマハーカーティヤーヤナ尊者(論議第一)に言いました。
佛告摩訶迦旃延:[VK0306001]
「お前が維摩詰を見舞いに行ってきなさい。」
「汝行詣維摩詰問疾。」[VK0306002]
カーティヤーヤナはお釈迦様に語りました。
迦旃延白佛言:[VK0306003]
「申し訳ございません。世尊様。私はその御方を見舞うことができかねます。なぜかというと、
「世尊!我不堪任詣彼問疾。所以者何?[VK0306004]
かつて、世尊様は比丘たちに仏法の要点を簡単に説明してくださり、
憶念昔者,佛為諸比丘略說法要,[VK0306005]
その後、私は皆に詳しく無常・苦・空・無我・寂滅(静寂・空の状態)の意味を解説してさしあげました。
我即於後,敷演其義,謂無常義、苦義、空義、無我義、寂滅義。[VK0306006]
その時、維摩詰様がお見えになり、私に話しかけられました。
時維摩詰來謂我言:[VK0306007]
『ちょっと! カーティヤーヤナさんよ!
『唯,迦旃延![VK0306008]
生滅のある観念に基づいて実相を説明してはだめだ。
無以生滅心行,說實相法。[VK0306009]
カーティヤーヤナさんよ、
迦旃延![VK0306010]
(真如/実相=常=海。諸法=無常/一時の現象=海の浪)
諸法はもともと生滅がない、これは無常の意味だ。
諸法畢竟不生不滅,是無常義;[VK0306011]
五受陰(色・受・想・行・識。身心の五つの要素)の本質は空であり、起こることがない、これは苦の意味だ。
五受陰,洞達空無所起,是苦義;[VK0306012]
諸法はもともと独自に存在するのではない(海の浪はただ海の一部分)、これは空の意味だ。
諸法究竟無所有,是空義;[VK0306013]
我(海の浪)と無我(海)は不二(別物ではない)である、これは無我の意味だ。
於我、無我而不二,是無我義;[VK0306014]
諸法はもともと生じることがないゆえに消滅もない、これは寂滅の意味だ。』
法本不然,今則無滅,是寂滅義。』[VK0306015]
維摩詰様がこのご教示をお説きになった時、比丘たちは心が解放されました。
說是法時,彼諸比丘心得解脫。[VK0306016]
それゆえ、私はその御方を見舞うことができかねます。」
故我不任詣彼問疾。」[VK0306017]