法供養品
【維摩経】法供養品
経典の功徳
その時、帝釈天である釈提桓因は人混みの中でお釈迦様に語りました。
爾時釋提桓因於大眾中白佛言:[VK1301001]
「世尊様! 私は世尊様と文殊菩薩様から百千の経典を拝聴しましたが、
「世尊!我雖從佛及文殊師利聞百千經,[VK1301002]
このような不思議で、変幻自在の神通力が現れ、実相を深く説明する経典を拝聴したことはございません。
未曾聞此不可思議、自在神通、決定實相經典。[VK1301003]
私が世尊様のお教えを理解したところによると、
如我解佛所說義趣,[VK1301004]
もしある衆生がこの経典の教義を聴いたり、信じたり、
若有眾生聞是經法,信解、[VK1301005]
学んだり、覚えたり、読んだりすれば、
受持、讀誦之者,[VK1301006]
必ず教義を会得することに、疑いの余地はございません。
必得是法不疑,[VK1301007]
ましてや、教義どおりに修行する者はなおさらです。
何況如說修行?[VK1301008]
その人はすでに悪趣(三悪道)の門を閉め、諸善の門を開け、
斯人即為閉眾惡趣開諸善門,[VK1301009]
諸如来様は常にその人を護念されます。
常為諸佛之所護念;[VK1301010]
また、その人は外道を降伏させ、悪魔と怨敵を滅ぼし、
降伏外學,摧滅魔怨;[VK1301011]
菩提心を培い、安らかに道場に座り(修行が順調に進む)、
修治菩提,安處道場;[VK1301012]
如来様のご足跡に従って実践することができるのです。
履踐如來所行之跡。[VK1301013]
世尊様! もし誰かがこの経典を学んだり、覚えたり、読んだり、
世尊!若有受持讀誦、[VK1301014]
教義どおりに修行したりすれば、
如說修行者,[VK1301015]
私はきっと眷属たちと共にその人をご供養いたします。
我當與諸眷屬供養給事;[VK1301016]
この経典がある集落・町・山林・原野には、
所在聚落城邑、山林曠野有是經處,[VK1301017]
私と眷属たちもまたお教えを聴くために、一緒にその場所に参ります。
我亦與諸眷屬聽受法故,共到其所;[VK1301018]
この経典を信じていない者を信じさせ、
其未信者,當令生信,[VK1301019]
この経典を信じている者を守ります。」
其已信者,當為作護。」[VK1301020]
お釈迦様は言いました。
佛言:[VK1301021]
「よく言った! 天帝よ! お前の言うとおりだ。私が皆に説明してやろう。
「善哉,善哉!天帝!如汝所說,吾助爾喜。[VK1301022]
この経典は過去・未来・現在の諸如来の不思議の阿耨多羅三藐三菩提を広く記述してある。
此經廣說過去、未來、現在諸佛不可思議阿耨多羅三藐三菩提。[VK1301023]
天帝よ! それゆえ、この経典を学んだり、覚えたり、読んだり、供養したりすることは、
是故,天帝!若善男子、善女人受持、讀誦、供養是經者,[VK1301024]
過去・未来・現在の諸如来を供養することに等しいのだ。
即為供養去、來、今佛。[VK1301025]
天帝よ! 無数の如来は、サトウキビ・竹・葦(ヨシ)・稲・麻草・雑木林のように三千大千世界に満ちていて、
天帝!正使三千大千世界如來滿中,譬如甘蔗、竹𥯤、稻麻、叢林;[VK1301026]
ある善良な男女は一劫あるいは一劫過ぎの間に、
若有善男子、善女人,或一劫、或減一劫,[VK1301027]
諸如来を敬ったり、尊重したり、賛嘆したり、供養したり、奉仕したりし、
恭敬尊重,讚歎供養,奉諸所安,[VK1301028]
そして、諸如来の入滅後、諸如来おのおのの全身の舎利(仏や聖者の遺骨)に七宝の塔を建てている(舎利を容器に納めて塔に安置する)。
至諸佛滅後,以一一全身舍利起七寶塔——[VK1301029]
七宝の塔は広さが四大洲のように広く、塔の頂が梵天に届き、
縱廣一四天下,高至梵天,[VK1301030]
表刹(仏塔の頂上が尖って高く突き出た建造物)が荘厳で、
表剎莊嚴——[VK1301031]
塔の周りにいろいろな花・香木・瓔珞・幢幡(仏堂に飾る旗)を置き、
以一切華香、瓔珞、幢幡、[VK1301032]
いろいろな神楽を奉納していて、
伎樂微妙第一,[VK1301033]
そのように一劫あるいは一劫過ぎの間にすべての舎利の塔を供養している。
若一劫、若減一劫,而供養之,[VK1301034]
天帝よ! お前はどう思うか? その供養から積んだ福徳は多いだろうか?」
於天帝意云何,其人植福寧為多不?」[VK1301035]
釈提桓因は答えました。
釋提桓因言:[VK1301036]
「とても多いです! 世尊様!
「多矣!世尊![VK1301037]
百千億劫の時間をかけても、その供養から積んだ福徳を説き尽くすことはできないのです。」
彼之福德,若以百千億劫說不能盡。」[VK1301038]
お釈迦様は帝釈天に言いました。
佛告天帝:[VK1301039]
「よく知りなさい。もしある善良な男女が、この不思議解脱の経典を聴いたり、
「當知是善男子、善女人聞是不可思議解脫經典,[VK1301040]
信じたり、学んだり、覚えたり、読んだり、教義どおりに修行したりすれば、
信解受持,讀誦修行,[VK1301041]
その人が積んだ福徳は、前の供養から積んだ福徳よりも多いのだ。なぜなら、
福多於彼。所以者何?[VK1301042]
諸如来は皆この経典のおかげで菩提を得たからだ。
諸佛菩提皆從是生;[VK1301043]
菩提は限度がないゆえ、その福徳を測定することはできないのだ。」
菩提之相不可限量,以是因緣福不可量。」[VK1301044]
【維摩経】法供養品
経典の功徳
その時、帝釈天である釈提桓因は人混みの中でお釈迦様に語りました。
爾時釋提桓因於大眾中白佛言:[VK1301001]
「世尊様! 私は世尊様と文殊菩薩様から百千の経典を拝聴しましたが、
「世尊!我雖從佛及文殊師利聞百千經,[VK1301002]
このような不思議で、変幻自在の神通力が現れ、実相を深く説明する経典を拝聴したことはございません。
未曾聞此不可思議、自在神通、決定實相經典。[VK1301003]
私が世尊様のお教えを理解したところによると、
如我解佛所說義趣,[VK1301004]
もしある衆生がこの経典の教義を聴いたり、信じたり、
若有眾生聞是經法,信解、[VK1301005]
学んだり、覚えたり、読んだりすれば、
受持、讀誦之者,[VK1301006]
必ず教義を会得することに、疑いの余地はございません。
必得是法不疑,[VK1301007]
ましてや、教義どおりに修行する者はなおさらです。
何況如說修行?[VK1301008]
その人はすでに悪趣(三悪道)の門を閉め、諸善の門を開け、
斯人即為閉眾惡趣開諸善門,[VK1301009]
諸如来様は常にその人を護念されます。
常為諸佛之所護念;[VK1301010]
また、その人は外道を降伏させ、悪魔と怨敵を滅ぼし、
降伏外學,摧滅魔怨;[VK1301011]
菩提心を培い、安らかに道場に座り(修行が順調に進む)、
修治菩提,安處道場;[VK1301012]
如来様のご足跡に従って実践することができるのです。
履踐如來所行之跡。[VK1301013]
世尊様! もし誰かがこの経典を学んだり、覚えたり、読んだり、
世尊!若有受持讀誦、[VK1301014]
教義どおりに修行したりすれば、
如說修行者,[VK1301015]
私はきっと眷属たちと共にその人をご供養いたします。
我當與諸眷屬供養給事;[VK1301016]
この経典がある集落・町・山林・原野には、
所在聚落城邑、山林曠野有是經處,[VK1301017]
私と眷属たちもまたお教えを聴くために、一緒にその場所に参ります。
我亦與諸眷屬聽受法故,共到其所;[VK1301018]
この経典を信じていない者を信じさせ、
其未信者,當令生信,[VK1301019]
この経典を信じている者を守ります。」
其已信者,當為作護。」[VK1301020]
お釈迦様は言いました。
佛言:[VK1301021]
「よく言った! 天帝よ! お前の言うとおりだ。私が皆に説明してやろう。
「善哉,善哉!天帝!如汝所說,吾助爾喜。[VK1301022]
この経典は過去・未来・現在の諸如来の不思議の阿耨多羅三藐三菩提を広く記述してある。
此經廣說過去、未來、現在諸佛不可思議阿耨多羅三藐三菩提。[VK1301023]
天帝よ! それゆえ、この経典を学んだり、覚えたり、読んだり、供養したりすることは、
是故,天帝!若善男子、善女人受持、讀誦、供養是經者,[VK1301024]
過去・未来・現在の諸如来を供養することに等しいのだ。
即為供養去、來、今佛。[VK1301025]
天帝よ! 無数の如来は、サトウキビ・竹・葦(ヨシ)・稲・麻草・雑木林のように三千大千世界に満ちていて、
天帝!正使三千大千世界如來滿中,譬如甘蔗、竹𥯤、稻麻、叢林;[VK1301026]
ある善良な男女は一劫あるいは一劫過ぎの間に、
若有善男子、善女人,或一劫、或減一劫,[VK1301027]
諸如来を敬ったり、尊重したり、賛嘆したり、供養したり、奉仕したりし、
恭敬尊重,讚歎供養,奉諸所安,[VK1301028]
そして、諸如来の入滅後、諸如来おのおのの全身の舎利(仏や聖者の遺骨)に七宝の塔を建てている(舎利を容器に納めて塔に安置する)。
至諸佛滅後,以一一全身舍利起七寶塔——[VK1301029]
七宝の塔は広さが四大洲のように広く、塔の頂が梵天に届き、
縱廣一四天下,高至梵天,[VK1301030]
表刹(仏塔の頂上が尖って高く突き出た建造物)が荘厳で、
表剎莊嚴——[VK1301031]
塔の周りにいろいろな花・香木・瓔珞・幢幡(仏堂に飾る旗)を置き、
以一切華香、瓔珞、幢幡、[VK1301032]
いろいろな神楽を奉納していて、
伎樂微妙第一,[VK1301033]
そのように一劫あるいは一劫過ぎの間にすべての舎利の塔を供養している。
若一劫、若減一劫,而供養之,[VK1301034]
天帝よ! お前はどう思うか? その供養から積んだ福徳は多いだろうか?」
於天帝意云何,其人植福寧為多不?」[VK1301035]
釈提桓因は答えました。
釋提桓因言:[VK1301036]
「とても多いです! 世尊様!
「多矣!世尊![VK1301037]
百千億劫の時間をかけても、その供養から積んだ福徳を説き尽くすことはできないのです。」
彼之福德,若以百千億劫說不能盡。」[VK1301038]
お釈迦様は帝釈天に言いました。
佛告天帝:[VK1301039]
「よく知りなさい。もしある善良な男女が、この不思議解脱の経典を聴いたり、
「當知是善男子、善女人聞是不可思議解脫經典,[VK1301040]
信じたり、学んだり、覚えたり、読んだり、教義どおりに修行したりすれば、
信解受持,讀誦修行,[VK1301041]
その人が積んだ福徳は、前の供養から積んだ福徳よりも多いのだ。なぜなら、
福多於彼。所以者何?[VK1301042]
諸如来は皆この経典のおかげで菩提を得たからだ。
諸佛菩提皆從是生;[VK1301043]
菩提は限度がないゆえ、その福徳を測定することはできないのだ。」
菩提之相不可限量,以是因緣福不可量。」[VK1301044]