菩薩行品
【維摩経】菩薩行品
帰還
その時、お釈迦様はマンゴー樹園で説法していました。
是時佛說法於菴羅樹園,[VK1101001]
するとそこの土地が急に広く、平坦になり、場所が厳かに飾られ、そこにいた人々は身が金色に輝きました。
其地忽然廣博嚴事,一切眾會皆作金色。[VK1101002]
アーナンダはお釈迦様に問いました。
阿難白佛言:[VK1101003]
「世尊様! いったい何の因縁でこの祥瑞(縁起の良い前兆)が起こるのでしょうか?
「世尊!以何因緣,有此瑞應?[VK1101004]
土地が急に広く、平坦になり、場所が厳かに飾られ、皆は金色に輝いているのです。」
是處忽然廣博嚴事,一切眾會皆作金色。」[VK1101005]
お釈迦様はアーナンダに言いました。
佛告阿難:[VK1101006]
「維摩詰と文殊菩薩が、大勢の人々に恭しく取り囲まれてここにやってくるつもりゆえ、
「是維摩詰、文殊師利,與諸大眾恭敬圍繞,發意欲來,[VK1101007]
皆が来る前にこの祥端が起きたのだ。」
故先為此瑞應。」[VK1101008]
一方、維摩詰は文殊菩薩に言いました。
於是維摩詰語文殊師利:[VK1101009]
「では、皆と一緒に世尊様に謁見に行くのはどうか?
「可共見佛,[VK1101010]
衆香仏国の菩薩たちはこの機会に乗じて世尊様を訪問し、供養することができるのだ。」
與諸菩薩禮事供養。」[VK1101011]
文殊菩薩は言いました。
文殊師利言:[VK1101012]
「いい提案です! 行きましょう! ちょうどいいのです。」
「善哉!行矣!今正是時。」[VK1101013]
維摩詰は即座に神通力を使い、皆と獅子の座を共に右手のひらに置いて、一緒にお釈迦様のところに飛んでいきました。
維摩詰即以神力持諸大眾并師子座,置於右掌,往詣佛所。[VK1101014]
まもなくマンゴー樹園に到着し、皆を地に置いてから、
到已著地,[VK1101015]
維摩詰は平伏して額をお釈迦様のお足につけて拝み、
稽首佛足,[VK1101016]
右回りにお釈迦様の周りを七周回り(礼式の一)、そして合掌してそばに下がりました。
右遶七匝,一心合掌,在一面立;[VK1101017]
他の菩薩たちもまた獅子の座を離れ、平伏して額をお釈迦様のお足につけて拝み、
其諸菩薩即皆避座,稽首佛足,[VK1101018]
右回りにお釈迦様の周りを七周回ってから、そばに下がりました。
亦繞七匝,於一面立;[VK1101019]
他の大弟子たち・帝釈天・梵天・四天王などもまた獅子の座を離れ、
諸大弟子、釋、梵、四天王等,亦皆避座,[VK1101020]
平伏して額をお釈迦様のお足につけて拝み、そしてそばに下がりました。
稽首佛足,在一面立。[VK1101021]
そこで、お釈迦様は菩薩たちに挨拶してから、皆を席に戻らせ、シャーリプトラに言いました。
於是世尊如法慰問諸菩薩已,各令復坐,即皆受教。眾坐已定,佛語舍利弗:[VK1101022]
「お前は、菩薩大士(偉大な人。維摩詰)の変幻自在な神通力を見ただろう?」
「汝見菩薩大士自在神力之所為乎?」[VK1101023]
シャーリプトラ:
「はい、拝見しました。」
「唯然,已見!」[VK1101024]
お釈迦様:
「お前はどう思うか?」
「於汝意云何?」[VK1101025]
シャーリプトラ:
「世尊様! 何たる不思議でしょう! 想像も計測もできないのです。」
「世尊!我覩其為不可思議,非意所圖,非度所測。」[VK1101026]
【維摩経】菩薩行品
帰還
その時、お釈迦様はマンゴー樹園で説法していました。
是時佛說法於菴羅樹園,[VK1101001]
するとそこの土地が急に広く、平坦になり、場所が厳かに飾られ、そこにいた人々は身が金色に輝きました。
其地忽然廣博嚴事,一切眾會皆作金色。[VK1101002]
アーナンダはお釈迦様に問いました。
阿難白佛言:[VK1101003]
「世尊様! いったい何の因縁でこの祥瑞(縁起の良い前兆)が起こるのでしょうか?
「世尊!以何因緣,有此瑞應?[VK1101004]
土地が急に広く、平坦になり、場所が厳かに飾られ、皆は金色に輝いているのです。」
是處忽然廣博嚴事,一切眾會皆作金色。」[VK1101005]
お釈迦様はアーナンダに言いました。
佛告阿難:[VK1101006]
「維摩詰と文殊菩薩が、大勢の人々に恭しく取り囲まれてここにやってくるつもりゆえ、
「是維摩詰、文殊師利,與諸大眾恭敬圍繞,發意欲來,[VK1101007]
皆が来る前にこの祥端が起きたのだ。」
故先為此瑞應。」[VK1101008]
一方、維摩詰は文殊菩薩に言いました。
於是維摩詰語文殊師利:[VK1101009]
「では、皆と一緒に世尊様に謁見に行くのはどうか?
「可共見佛,[VK1101010]
衆香仏国の菩薩たちはこの機会に乗じて世尊様を訪問し、供養することができるのだ。」
與諸菩薩禮事供養。」[VK1101011]
文殊菩薩は言いました。
文殊師利言:[VK1101012]
「いい提案です! 行きましょう! ちょうどいいのです。」
「善哉!行矣!今正是時。」[VK1101013]
維摩詰は即座に神通力を使い、皆と獅子の座を共に右手のひらに置いて、一緒にお釈迦様のところに飛んでいきました。
維摩詰即以神力持諸大眾并師子座,置於右掌,往詣佛所。[VK1101014]
まもなくマンゴー樹園に到着し、皆を地に置いてから、
到已著地,[VK1101015]
維摩詰は平伏して額をお釈迦様のお足につけて拝み、
稽首佛足,[VK1101016]
右回りにお釈迦様の周りを七周回り(礼式の一)、そして合掌してそばに下がりました。
右遶七匝,一心合掌,在一面立;[VK1101017]
他の菩薩たちもまた獅子の座を離れ、平伏して額をお釈迦様のお足につけて拝み、
其諸菩薩即皆避座,稽首佛足,[VK1101018]
右回りにお釈迦様の周りを七周回ってから、そばに下がりました。
亦繞七匝,於一面立;[VK1101019]
他の大弟子たち・帝釈天・梵天・四天王などもまた獅子の座を離れ、
諸大弟子、釋、梵、四天王等,亦皆避座,[VK1101020]
平伏して額をお釈迦様のお足につけて拝み、そしてそばに下がりました。
稽首佛足,在一面立。[VK1101021]
そこで、お釈迦様は菩薩たちに挨拶してから、皆を席に戻らせ、シャーリプトラに言いました。
於是世尊如法慰問諸菩薩已,各令復坐,即皆受教。眾坐已定,佛語舍利弗:[VK1101022]
「お前は、菩薩大士(偉大な人。維摩詰)の変幻自在な神通力を見ただろう?」
「汝見菩薩大士自在神力之所為乎?」[VK1101023]
シャーリプトラ:
「はい、拝見しました。」
「唯然,已見!」[VK1101024]
お釈迦様:
「お前はどう思うか?」
「於汝意云何?」[VK1101025]
シャーリプトラ:
「世尊様! 何たる不思議でしょう! 想像も計測もできないのです。」
「世尊!我覩其為不可思議,非意所圖,非度所測。」[VK1101026]